ワンズブログ メンバー投稿
6歩目 「マジックアワー」②

「デキナイモノ」という現実を受け止めれない。・・・
答えがわからない。
ひとと会うのに、どんな顔で、どんな言葉で、
どんなことを表現すればいいのかがまったくわからなくなってしまった。

答えがないから、「大丈夫?」の声にも
反応することもできない。

デキナイモノに、何が大丈夫で、
何が大丈夫じゃないのか?

考えてもみつからない。

ただ自分への嫌悪感が憎悪になっていくのは感じていた。

見かねた友人が「ちょっと出かけよう」と
声をかけてくれた。

海だった。

晴れた日の海は高く遠くまで澄んでいて
不思議と気持ちがよい。

知らない場所へ行けば自分が障がい者かどうかなんて
あまり関係ない。

記憶に引っ張られてしまうこともない。

特にしゃべったりしなければ気にもされないし、
気づかいされることもない。

「考えることをいったんやめて『ぼーっ』とすれば」
という友人の配慮だ。

人ごみをさけ夕暮れもちかい海沿いを歩いているとき、
魚の絵に足をとめた。

魚の絵が独特であったのと、
そこに描いてあった言葉が眼にはいってきたから。

映画のワンシーンのような出会いではあったけど、
その絵を描いている人に声をかけられ、
細々とした声であったがこたえた。

わたしの反応や言葉で何かを察してくれたのだろうか。
2枚のハガキを手渡してくれた。

「逃げることもあきらめることもみんなみんな
次へステップ」
「言い訳を考えながらでも歩いてごらん。
それでもそこに道は出来るから」

描かれている言葉は、厚意の助言や励ましよりも、
スーッと胸に落ちた。

逃げることができた。あきらめることができた。

逃げず、あきらめずにつぶれる前に、
歩いていく言い訳を考える時間ができた。

夕暮れの「マジックアワー」。

今日も、自己嫌悪と過去と今の自問自答は反芻している。

わたしは歩みをとめてしまった場所で、
社会復帰への道を歩んでいる。

7歩目